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ケヴィン・スペイシーおすすめ映画3選:演技派俳優が魅せるストーリーとキャラクター

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こんにちは、水曜日の青猫の映画紹介です 🐾🐾

今回は、「ケヴィン・スペイシー出演映画3選」の紹介です。彼は、今から8年前くらいにゴチャゴチャとしたことがあって実質・芸能界引退状態でした。それが2024年になって少しずつ復活しはじめたんだとか。筆者 水曜日の青猫の大好きな俳優の一人です。先日、ブラッド・ピット映画絡みで『セブン』を紹介したこともあって、あえてゴチャゴチャあった俳優の作品を紹介することにしました。

ところで、「3選」の選び方ですが、筆者 水曜日の青猫の独善です。フツー、ケヴィン・スペイシー作品なら「ユージュアル・サスペクツ」や「アメリカン・ビューティー」は入れるだろ!という苦情は一切受け付けません(笑)。

そうそう、『セブン』もしつこいけどもう一度、ケヴィン・スペイシー視点で紹介しますからね。

それでは、そろそろ口調を戻して…。

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ケヴィン・スペイシーは、演技力の評価がすこぶる高いハリウッドを代表する俳優の一人です。彼は数多くの作品に出演ています。彼の出演作品のなかで、特に印象深い作品として、筆者 水曜日の青猫が挙げたいのが、『セブン』、『L.A.コンフィデンシャル』、『交渉人』の3作品。この3つの映画は、スペイシーの多面的な演技力を十分に堪能できることはもちろん、それぞれが独自の魅力的なストーリー展開で楽しめます。

本論に入る前にケヴィン・スペイシーの3作品のなかでの活躍をちょっとだけピックアップすると…。

『セブン』では観客を恐怖に陥れる役を演じてまるで主人公のような存在感があります。『L.A.コンフィデンシャル』では腐敗した警察組織の中で揺れる刑事として複雑な人間模様を描いています。そして『交渉人』では緊迫した状況下での心理戦を巧みに演じ、観客を最後まで引き込んでしまいます。

この3作品を通じて、スペイシーがどのようにしてキャラクターを演じ、そして、物語に深みを与えているのか、その魅力を改めて感じていただければ記事を書いた甲斐があります。そして、この3作品を含め、彼の他の代表作も見て楽しんでいただければと思います。

それではケヴィン・スペイシーの代表作3選について詳しくご紹介します。

目次

ケヴィン・スペイシーの簡単プロフ


それでは、まずケヴィン・スペイシーの簡単プロフ。ちょっとWikipeっぽいですが、あしからず。

  • 本 名: Kevin Spacey Fowler
  • 芸名 : Kevin Spacey
  • 誕生日: 1959年7月26日
  • 出身地: アメリカ合衆国ニュージャージー州サウスオレンジ
  • 職業 : 俳優、映画監督、プロデューサー、脚本家、歌手
  • 学歴 : ジュリアード学院で演技を学ぶ(1979年から1981年)
  • キャリアの始まり: 1980年代に舞台俳優としてキャリアを開始
  • 映画デビュー: 1986年に映画『心みだれて』でデビュー
  • 主な受賞歴:
    • アカデミー賞助演男優賞(『ユージュアル・サスペクツ』1995年)
    • アカデミー賞主演男優賞(『アメリカン・ビューティー』1999年)
    • トニー賞助演男優賞(『ロスト・イン・ヨンカーズ』1991年)
  • 代表作:
    • 『セブン』(1995年)
    • 『L.A.コンフィデンシャル』(1997年)
    • 『アメリカン・ビューティー』(1999年)
    • 『スーパーマン リターンズ』(2006年)
    • Netflixドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』(2013年開始)
  • その他の活動:
    • ロンドンのオールド・ヴィック・シアターの芸術監督(2004年から2015年)
    • 映画監督として『アルビノ・アリゲイター』(1996年)や『ビヨンド the シー 夢見るように歌えば』(2004年)を手掛ける
  • 近況:
    • 2017年以降、未成年への性加害疑惑により表舞台から遠ざかるが、2024年からヨーロッパを中心に活動を再開しつつある
    • ケヴィン・スペイシーは、その多才な演技力と舞台での存在感で知られる一方、近年は個人的なスキャンダルによってキャリアに影響を受けています。

ケヴィン・スペイシーの3つの魅力

それでは前掲の簡単プロフを踏まえたうえで、ケヴィン・スペイシーの3つの魅力を、筆者 水曜日の青猫の独善視点で挙げますね。

多面的なキャラクターを演じる分ける能力

ケヴィン・スペイシーは、複雑で多面的なキャラクターを演じることに長けていると評されています。単なる表面的な描写に留まらず、キャラクターの内面や動機を深く掘り下げていると私たち観客に感じさせてくれます。

例えば、『ユージュアル・サスペクツ』(1994年公開)で演じたヴァーバル・キント役。彼は、私たち観客に対して常に謎めいた雰囲気を漂わせ、物語の核心を握る重要な存在として印象付けています。この役で彼はアカデミー賞助演男優賞を受賞し、私たち観客だけでなく、専門家・批評家からも、その演技に対して高い評価を得ました。彼の演技は、私たち観客のなかにキャラクターの内面を想像させる余地を残して、物語に深みと緊張感を与えているんですね。

また、『アメリカン・ビューティー』(1999年公開)では、中年危機に直面する男性をコミカルかつ悲劇的に描いています。彼の演技はしばしば「カメレオン俳優」と称されます。それは、多様な役柄に自在に適応する能力が際立っているからです。彼は、この役で、アカデミー主演男優賞を受賞しました。

この2作品、役柄はまるで違います。それなのに、アカデミー賞の助演男優賞、同主演男優賞を受賞って…、凄すぎます。

圧倒的な存在感とカリスマ性

ケヴィン・スペイシーは、その圧倒的な存在感とカリスマ性があります。圧倒的な存在感とカリスマ性って分かるようでわかりにくいので言い換えてみますね。

圧倒的な存在感とは、その人が画面に出てきただけで「おっ!」って目を引くような力のことです。そして、カリスマ性とは「人を引きつける魔法」みたいなもの。その俳優が話したり、動いたりするだけで「すごい!もっと見たい!」って思わせる力のことですね。

彼は、この2つのパワーで、極論すると、スクリーン上のキャラクターを支配しちゃうんです。また少し言い換えると、彼が登場するだけで、その場の空気が変わるほどのインパクトがあるわけです。

例えば、『ベイビー・ドライバー』でスペイシーが演じたドク役では、犯罪組織の冷酷なリーダーとして、計算高さと威圧感を見事に表現。このキャラクターは物語全体の緊張感を高め、私たち観客に強烈な印象を残しました。

コミカルとシリアスの絶妙なバランス

ケヴィン・スペイシーは、コミカル要素とシリアス要素という一見相反するものを、その演技に絶妙に、かつタイムリーにバランスさせることができる俳優なのです。

例えば、『アメリカン・ビューティー』は、主人公の中年男性が、若い女性への恋心から人生を見つめ直すというストーリー。そこで、彼はコミカルとシリアスが同居する複雑な演技を見せてくれました。この作品では、笑いと涙が交錯する瞬間が多く、スペイシーの演技が私たち観客を、ある意味心地よく感情的に揺さぶったのです。

また、NETFILXオリジナルドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』はかなり深刻な政治劇。このなかでケヴィン・スペイシーは、政治的駆け引きや権力闘争という重厚なテーマであるにもかかわらず、時折見せるユーモアによって物語に軽妙さを加えているのです。言い換えると、彼の演技でほっこりするんですね。

このように、彼は重厚でありながらも人間味溢れるキャラクターを作り上げることで、多くの視聴者に親しまれているわけです。

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それでは、次から3作品をひとつひとつ紹介させていただきます。

『セブン』(1995年公開)

画像引用元:映画.com
  • 日本タイトル: セブン
  • 原    題: Seven (Se7en)
  • 米公開年月日: 1995年9月22日
  • 監    督: デヴィッド・フィンチャー
  • 脚    本: アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー
  • 原    作: オリジナル脚本(特定の原作なし)
  • 主    演: ブラッド・ピット、モーガン・フリーマン
  • 共    演: ケヴィン・スペイシー、グウィネス・パルトローほか
  • 興 行 収 入: 約3億2730万ドル
  • 映画賞受賞歴: なし
  • Filmarks評価:4.0点(5点満点)
  • 映画.com 評価:3.8点(5点満点)

あらすじ

映画『セブン』は、終始雨が降り続く大都会を舞台に、ある猟奇連続殺人事件を捜査する2人の刑事の物語。退職間近なベテラン刑事サマセット(モーガン・フリーマン)と、血気盛んな新人刑事ミルズ(ブラッド・ピット)のバディ。そして、この2人がこの作品のW主人公です。

物語は、極端な肥満体の男性が食べ物に顔を埋めたまま死亡しているという凄惨で衝撃的なシーンから始まります。彼の死因は過剰な食物摂取による内臓破裂で、現場には「GLUTTONY(大食)」と書かれた文字が残されていました。次の犠牲者は高名な弁護士で、「GREED(強欲)」と書かれた現場で発見されます。

サマセットは犯人がキリスト教の「七つの大罪」をテーマにした連続殺人を計画していると確信。キリスト教に明るくない筆者 水曜日の青猫は、サマセットの推理を「すごいな」と感嘆したことを覚えています。

さて、サマセットはバディの若いミルズに、「あと五件の殺人が起こるぞ」と警告します。そしてほどなく捜査が進む中、衰弱しきった男性の死亡事件で「SLOTH(怠惰)」と書かれた文字を見るのです。残りは4つ?

サマセットはFBIの友人の協力を得て、「七つの大罪」に関する図書館の貸出記録から容疑者を特定しようとします。やがて、ある疑惑の男が浮上し、二人は彼のアパートを訪れます。しかし、二人に発砲して逃走。ミルズは追跡するも取り逃がしてしまいます。このあとも「LUST(肉欲)」「PRIDE(高慢)」に基づく殺人が起きてしまいます。あと2つ?

『セブン』は、その巧妙なプロットと視覚的な演出で私たち観客を引き込み、緊張感あふれる展開が続きます。最終的に疑惑の男が警察に出頭することで物語は新たな局面を迎えますが、その後も予測不能な展開が待ち受けいて…。

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ところで、『セブン』の重要な共演者ケヴィン・スペイシーは、かなり後半で突然現れます。おひおひ誰?みたいな感じですが、見終わって、なんだかケヴィン・スペイシーが主役みたいだ…と感じたのは筆者 水曜日の青猫だけでしょうか。

ケヴィン・スペイシー、役柄への取組

ケヴィン・スペイシーは映画『セブン』のなかで物語の骨幹に関わる重要な役を演じています。詳しいことはネタバレになるので書きません。彼がこの役を演じるにあたって、直面した苦労や努力の一端をピックアップしますね。

役柄を秘密に?

ケヴィン・スペイシーは映画公開時に「自身が出演していることを隠す」という戦略をとったとされています。まぁ、当初から制作者側の方針だったのかもしれませんが。これは徹底していて、彼の名前はオープニングクレジットからも外され、観客に犯人の正体を予測させないようにしたのです。

役作りの時間がない?

ケヴィン・スペイシーはキャスティングが決まった直後に撮影に参加せざるを得ない日程だったとのこと。金曜日の夜に電話を受け、翌週の火曜日には撮影を開始。つまり、役作りの時間がほとんどなかったと述べています。物語の超重要人物なので、彼がその後、ものすごく集中的で根を詰めた努力をしたのだろうと推測されますね。

スペイシーに監督の指示は?

デヴィッド・フィンチャー監督はケヴィン・スペイシーに対し、彼が演じる際には「少なく」演じるよう指導しました。「少なく」とは、「オーバーではなく抑えて」あるいは「うちに秘めたものを外に見せない」ということでしょうか。これにより、スペイシーはキャラクターに内なる静けさと制御された強度を持たせ、キャラクターの恐ろしさを増幅させました。

役作りのため強制的に変身?

ケヴィン・スペイシーは役作りの一環として頭を剃ることを決断しました。これは彼が直前に演じた軍人役からの変化であり、『セブン』での役柄の冷徹さを視覚的にも表現するためには必須の変身だったようです。

私たち観客へのアプローチ?

ケヴィン・スペイシーは、この役柄を演じる際、私たち観客にキャラクターへの同情や理解を求めない「判断しない・させない」というアプローチを採用といいます。この方法で、私たち観客が自分自身でキャラクターについて考える余地を残したのです。

映画『セブン』おもしろ情報!

映画に関わるおもしろ情報(あまり広く伝わっていない情報)について。

  • 脚本の偶然:
    • 脚本家アンドリュー・ケビン・ウォーカーは、当初別の結末に変更される予定だった脚本が、誤ってオリジナル版がフィンチャー監督に渡ったことで、そのまま採用されました。
  • 視覚効果:
    • 映画は「銀残し」と呼ばれる現像技術を使用して、暗いトーンと高いコントラストを実現し、視覚的なインパクトを強めました。
  • 都市の描写:
    • 常に降り続く雨やごみごみした街並みは、都市への憎悪とモラルの低下を象徴しています。
  • 犯人の計画:
    • 犯行は七つの大罪に基づいており、最後の二つの罪「嫉妬」と「憤怒」がミルズ刑事に絡む形で完結します。
  • 影響力:
    • 『セブン』はその後のサイコスリラー映画に多大な影響を与え、多くの作品がこの映画からインスピレーションを受けています。私たちに身近なところでは、小栗旬主演『ミュージアム』が、原作漫画にはない『セブン』っぽさがにじみ出ている作品だと評判になりました。

『L.A.コンフィデンシャル』(1997年公開)

画像引用元:映画.com
  • 日本タイトル: L.A.コンフィデンシャル
  • 原    題: L.A. Confidential
  • 米公開年月日: 1997年12月25日
  • 監    督: カーティス・ハンソン
  • 脚    本: ブライアン・ヘルゲランド、カーティス・ハンソン
  • 原    作: ジェイムズ・エルロイの小説『L.A.コンフィデンシャル』
  • 主    演: ガイ・ピアース、ラッセル・クロウ、ケヴィン・スペイシー
  • 共    演: キム・ベイシンガー、ダニー・デヴィートほか
  • 興 行 収 入: 約1億2621万ドル
  • 映画賞受賞歴:
    • アカデミー賞: 助演女優賞(キム・ベイシンガー)、脚色賞
    • ゴールデングローブ賞: 助演女優賞(キム・ベイシンガー)
    • BAFTA賞: 編集賞、音響賞
  • Filmarks評価:3.9点(5点満点)
  • 映画.com 評価:4.0点(5点満点)

あらすじ

『L.A.コンフィデンシャル』は1950年代ロサンゼルスを舞台にしたフィルム・ノワール作品で、異なる性格を持つ三人の刑事たちが複雑に絡み合う事件を追う物語です。

ちなみに、フィルム・ノワール(Film Noir)とは、フランス語で「黒い映画」という意味で、1940年代から1950年代にアメリカで作られた特別な雰囲気を持った映画のジャンルね。この「フィルム・ノワール」という名前は、暗くて影が多い映像と、物語が大人っぽいテーマを扱っている作品を指します。

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映画はコーヒーショップで起きた複数殺人事件から始まります。この事件が、捜査する3人の刑事たちの運命を大きく変えていきます。

その3人の刑事とは…
エド・エクスリー(ガイ・ピアース)は正義感溢れる若手刑事で、規則に厳格。一方、バド・ホワイト(ラッセル・クロウ)は暴力的で直感的な捜査スタイルを持ち、女性への暴力には特に敏感。そしてジャック・ヴィンセンス(ケヴィン・スペイシー)はハリウッドのゴシップ誌と手を組む派手好きな刑事。まるでキャラが違いますね(笑)。

この3人、それぞれ異なる動機からコーヒーショップ事件の捜査に関わることになります。エド(ガイ・ピアース)の動機は昇進。バド(ラッセル・クロウ)の動機は個人的な復讐心。そして、ジャック(ケヴィン・スペイシー)の動機は自身の名声維持です。まぁ、動機があれば、それなりのパワフルな行動ができるってことです。

しかし調査が進むにつれ、この事件が単なる強盗殺人ではなく、市警内部やハリウッド業界全体に絡む巨大な陰謀であることが明らかになっていき…。

映画では、美しくも危険なロサンゼルスの裏社会が描かれ、整形によって有名女優そっくりに仕立てられた娼婦リン(キム・ベイシンガー)との関係も複雑に絡んできます。彼女との関わりからバドとエドの間には新たな緊張感が生まれます。

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ところで、キム・ベイシンガーは20代前半から映画出演をはじめましたが、賞レースには無縁でした。それが40歳を超えて映画出演24作目となるこの『L.A.コンフィデンシャル』で、アカデミー賞助演女優賞を受賞しました。彼女の演技も楽しんでください!

ケヴィン・スペイシー、役柄への取組

ケヴィン・スペイシーは映画『L.A.コンフィデンシャル』のなかで3人の主役の一角を務めました。彼がこの役を演じるにあたって、直面した苦労や努力の一端をピックアップしますね。

キャスティングの背景

監督のカーティス・ハンソンは、当初からジャック・ヴィンセンス役にケヴィン・スペイシーを強く希望していました。スペイシーの『ユージュアル・サスペクツ』での成功に注目していたからです。ハンソンは彼のスター性を作品に活かしたいと考えたのですね。一方、スペイシーはこの役を引き受ける際、1950年代のハリウッドを舞台にした作品の雰囲気に強く惹かれたと言われています。キャスティングを巡っては監督もケヴィン・スペイシーもWin-Winだったわけです。

自己嫌悪が称賛された?

ケヴィン・スペイシーは、ジャック・ヴィンセンスというキャラクターが持つ自己嫌悪感に注目しました。そして、それを強調しました。原作者のジェームズ・エルロイも、「これまで見た中で最高の自己嫌悪だ!」とスペイシーを称賛しています。ヴィンセンスは、警察官でありながらゴシップ誌と結託し、有名人逮捕を演出するなど、倫理的にグレーな部分を持つキャラクターですね。この複雑な役柄を表現するため、スペイシーはキャラクターの内面的な葛藤、そのなかでも自己嫌悪感に焦点を当てたというわけです。

50年代の表現に注力した?

ケヴィン・スペイシーは、1950年代のハリウッド文化や警察組織に関するリサーチを徹底したといいます。その時代特有のスタイルや価値観を理解することで役作りに活かしたのです。また、彼は当時の警察官としての振る舞いや言動を身につけるために、現場でのディテールにもこだわって演技しました。

映画『L.A.コンフィデンシャル』おもしろ情報!

映画に関わるおもしろ情報(あまり広く伝わっていない情報)について。

  • 原作との違い:
    • 映画はジェイムズ・エルロイの小説を基にしていますが、ストーリーは大幅に脚色されています。原作よりもシンプルで見やすくなっています。
  • キャスティングの工夫:
    • ラッセル・クロウとガイ・ピアースという無名のオーストラリア人俳優を起用する際、プロデューサーや映画会社には秘密裏に進められました。
  • 脚本の評価:
    • リンダ・シーガーによると、この映画の脚本は「ひねり」が効いており、予想外の展開が観客を驚かせます。
  • ハリウッド批判:
    • 映画にはゴシップ誌との関係や警察内部の腐敗など、ハリウッド業界への皮肉が込められています。
  • ノワールスタイル:
    • 1950年代ロサンゼルスを舞台にしたこの作品は、ノワール映画として高く評価され、そのスタイルは視覚的にも美しく表現されています。

それでは、次から3作品をひとつひとつ紹介させていただきます。

『交渉人』(1998年公開)

  • 邦画タイトル: 交渉人
  • 原    題: The Negotiator
  • 米公開年月日: 1998年7月29日
  • 監    督: F. ゲイリー・グレイ
  • 脚    本: ェームズ・デモナコ、ケビン・フォックス
  • 原    作: オリジナル脚本(特定の原作なし)
  • 主    演: サミュエル・L・ジャクソン、ケヴィン・スペイシー
  • 共    演: デヴィッド・モース、ロン・リフキンほか
  • 興 行 収 入: 約4454万ドル
  • 映画賞受賞歴: なし
  • Filmarks評価:3.8点(5点満点)
  • 映画.com 評価:3.8点(5点満点)

あらすじ

映画『交渉人』は意外な展開から始まります。実績のある優秀な人質交渉人ダニー・ローマン(サミュエル・L・ジャクソン)が、なんと自ら汚職と殺人の容疑者として追い詰められる状況から始まるののです。

ダニーは同僚ネイサンから警察年金基金の横領について聞かされのですが、その後ネイサン自身が殺害されてしまいます。この殺人事件によってダニーに容疑がかけられます。ダニーは無実を証明するため、警察本部で数名を人質に取り立てこもります。なんという行為かと私たち観客はびっくりです!

ダニーの要求はただ一つ、西地区で有名な交渉人クリス・セイビアン(ケヴィン・スペイシー)との対話。事件の犯人として疑われている交渉人が、特定の交渉人を指定する。こがこの物語のコアです。

さて、セイビアンもまた家庭内問題で苦労している中、この難局に挑むことになります。というか…誰しもみんな個人的な問題を抱えているってことです。

物語は、ダニーとセイビアンとの間で繰り広げられる心理戦や交渉術によって進行。ダニーは内部告発者から得た情報を基に、自身への容疑を晴らすため時間稼ぎをしながら真犯人を追い詰めようとします。一方でセイビアンのほうもダニーの無実を信じ始め、ともに警察内部の腐敗を暴こうと協力するという展開に。いつのまにか2人がタッグを組んで犯人を追い詰めていくという状況に。相変わらず、ダニーは容疑者のままという状況のままですが。

映画全体には緊迫感あふれる交渉シーンや意外性ある展開が詰め込まれており、それぞれのキャラクター描写も深く掘り下げられています。また、人質として巻き込まれた者たちとの関係性や信頼構築も見どころとなっています。

『交渉人』は、正義とは何かというテーマについて考えさせる作品です。ダニーとセイビアンという二人の交渉人による駆け引きや友情が物語に厚みを加えています。

ケヴィン・スペイシー、役柄への取組

ケヴィン・スペイシーは映画『交渉人』のなかで「容疑者として疑われる交渉人と交渉する」という重要な役を演じました。がこの役を演じるにあたって、直面した苦労や努力の一端をピックアップしますね。

交渉人の交渉人?

ケヴィン・スペイシー、交渉人クリス・セイビアンという役柄を演じるために、複雑な心理的深みを持たせることを第一に考えたといいます。彼が演じるキャラクターは、単なる警察官ではなく、人質事件の中で冷静かつ戦略的に行動する様を演じる必要があったためです。

対話と交渉の具体的な技術?

ケヴィン・スペイシーは役柄の特性上、事前に交渉術や心理戦に関するリサーチを行い、その技術を演技に取り入れたとのこと。交渉人としてのリアリティを追求し、対話によって状況をコントロールする方法を学んで撮影に臨みました。

即興性も取り入れた?

映画ではサミュエル・L・ジャクソン演じるダニー・ローマンとの対立と協力が重要な要素となっています。スペイシーは共演者との化学反応を大切にし、即興的な演技も取り入れることで、より自然な会話と緊迫感を生み出したと言われています。

役への没入

ケヴィン・スペイシーはセイビアンというキャラクターに深く没入。そして、その内面にある葛藤や倫理的ジレンマを表現することにしました。彼はこの役柄を通じて、人間の複雑さや道徳的な選択について考えさせる演技を心掛けたのです。

映画『交渉人』おもしろ情報!

映画に関わるおもしろ情報(あまり広く伝わっていない情報)について。

  • リアルな設定:
    • シカゴ警察には実際に多くの交渉人が存在し、人質事件やテロにも対応しています。これが映画にも反映されてるそうです。
  • 豪華キャスト:
    • 主演のサミュエル・L・ジャクソンとケヴィン・スペイシー以外にも、多くの有名俳優が脇役として登場します。これが映画全体に深みを与えています。SWAT隊長役のデヴィッド・モース、シカゴ警察の署長役のジョン/スペンサーたちです。
  • 実話から着想:
    • 映画はセントルイスで実際に起きた事件をヒントにしており、そのリアリティが物語に緊迫感を与えています。
  • 交渉術の描写:
    • 私たち観客が普段知ることのない「交渉人」について、映画では交渉人同士の心理戦や駆け引きが詳細に描かれ、その緊張感が見どころとなっています。
  • ポケベル登場:
    • 作中でポケベルが重要なアイテムとして登場。これは当時としても珍しい演出でした。

ケヴィン・スペイシーについてのよくあるQ&A

以下は、ケヴィン・スペイシーについてのよくあるQ&Aをまとめてみました。

ケヴィン・スペイシーの本名は?

本名はケヴィン・スペイシー・ファウラー(Kevin Spacey Fowler)です。彼は母親の旧姓「スペイシー」を芸名として使用しています。

彼が最初にアカデミー賞を受賞した作品は何ですか?

ケヴィン・スペイシーは『ユージュアル・サスペクツ』(1995年)でアカデミー賞助演男優賞を初めて受賞しました。その後、『アメリカン・ビューティー』1999年でアカデミー賞主演男優賞しました。

ケヴィン・スペイシーはどのような教育を受けましたか?

ペイシーはニューヨークのジュリアード学院で演技を学びましたが、2年間で中退しています。

彼のキャリアに大きな影響を与えた人物は誰ですか?

ケヴィン・スペイシーにとってジャック・レモンはスペイシーが重要なメンターであると言われています。また、スペイシーはモノマネも得意で、メンターのジャック・レモンのモノマネもよくやったとの話があります。

ケヴィン・スペイシーが演じた有名なテレビシリーズの役柄は何ですか?

Netflixの『ハウス・オブ・カード 野望の階段』で主人公・フランク・アンダーウッド役を演じ、この役でゴールデングローブ賞やエミー賞にノミネートされました。

彼が監督した映画にはどんなものがありますか?

『アルビノ・アリゲイター』(1996年)と『ビヨンド the シー 夢見るように歌えば』(2004年)などがあります。後者では監督、製作、脚本、主演も務めました。

ケヴィン・スペイシーが関わった舞台活動について教えてください。

彼はロンドンのオールド・ヴィック・シアターで2004年から2015年まで芸術監督を務め、舞台界でも高い評価を得ています。

まとめ

筆者 水曜日の青猫の独善で選んだケヴィン・スペイシーのおすすめ映画3選。その『セブン』、『L.A.コンフィデンシャル』、『交渉人』をこれまた独善的(笑)に解説させていただきました。

この記事の一番の目的は、これを読んだあなたに、この3作品を楽しんでいただくことです。また、他のケヴィン・スペイシー作品も楽しんでいただければ嬉しいですね。

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この3作品は、それぞれ異なるジャンルとテーマでありながら、彼の卓越した演技力によって共通する魅力を放っています。

1995年公開『セブン』では、猟奇的連続殺人事件で衝撃的なサスペンスが展開。ケヴィン・スペイシーはその物語のコアを担う重要な役を演じて、物語全体を支配しました。まるで主人公のように私たち観客の記憶のなかに残ったほどです。

1997年公開『L.A.コンフィデンシャル』では、1950年代ロサンゼルスという舞台設定の中で、複雑な人間関係と権力闘争が描かれています。ケヴィン・スペイシーは3人の主人公たる刑事の、その中心人物として私たち観客を惹きつけました。

そして、1998年公開『交渉人』では、事件の犯人とされている交渉人を交渉する交渉人という複雑な設定のなか、心理戦が繰り広げられていきます。ケヴィン・スペイシーはその知的で冷静なキャラクターを見事に演じ切りました。

繰り返しますが、この機会にぜひ、ケヴィン・スペイシーの作品をご覧になり、その魅力を再発見してくださいね。

追伸 

ケヴィン・スペイシーがアカデミー賞を受賞した『ユージュアル・サスペクツ』『アメリカン・ビューティー』についても、機会があれば紹介記事を書く予定です🐾

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この記事を書いた人

水曜日の青猫です。一応、猫です(=^・^=)
サイト訪問に感謝します。
普段、山の徘徊ばかりしています。
百名山なんてとんでもない。
とっても低い、地元の里山ばかり。
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